「ころ柿(ころがき)」求肥製:塩瀬総本家
求肥生地で小豆こし餡を包みまるめ、全体に落雁粉をまぶし、枯れ色に染めた煉切製のへたを添えて干し柿を写しています。
うっすらとまぶされた落雁粉が、粉をふいた干し柿の質感をうまく表していますね。
干し柿の中には、「ころ柿」と呼んでいるところと、「あんぽ柿」と呼んでいるところがあります。一般的には、白い粉が生じた干し柿を「ころ柿」、白い粉を生じさせずに少し柔らかく干したものを「あんぽ柿」と呼び分けているようです。
その昔、農家の庭先で皮をむいた柿を並べて、天日で乾燥させるときに、柿全体に太陽があたるよう、コロコロ位置を変えたことから、「ころ柿」と呼ばれるようになったと言われています。
田舎暮らしでは、冬が来る前に、やらなくてはいけないことが沢山ありますが、そんな中で、大切な冬支度のひとつに干し柿作りがあります。
農家の軒下に連なる無数の干し柿の光景を見ると、とうとう秋も終わり、いよいよ冬がやってくることを実感しますね。