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ころ柿(両口屋是清)

「ころ柿(ころがき)」餅皮製:両口屋是清 

橙色に染めた餅皮で干し柿入りの小豆こし餡を包み、干し柿の形にかたどります。さらに、こげ茶色に染めたこなし製のへたを添え、落雁粉を散らしたお菓子です。 

 

干し柿の天然の甘さと、こし餡の優しい甘さが重なり合い、何とも言えない風味を醸し出していました。 

 

ころ柿とは、渋柿の皮をむき、吊るして天日で干した後、 むしろの上でころがして乾燥させた干し柿の一種です。「古露柿」や「古老柿」、「転柿」とも表記されます。 

 

乾燥の過程で、果実内部からしみ出した糖分が結晶化し、表面に浮き出して白く粉をふいたようになります。 

 

和菓子で干し柿を描くときに、この粉ふきを何で表現するかがポイントの一つです。 

 

落雁粉以外には、上新粉、和三盆糖、氷餅などが使われることが多いですね。

 

着々と冬支度を進める農家の軒下に、干し柿ののれんが吊るされると、冬の到来を感じざるを得ませんね。 

 

間もなく師走、これからさらに気温が下るにつれ、干し柿の甘味が一層凝縮されていきます。 

 

干し柿の甘さのことを思うと、厳しい寒さもしのげるような気がします。