「いちょう」雪平製:千草庵
黄色く染めた雪平(せっぺい)生地を薄く延ばし、白餡を包むようにいちょう形に折りたたみます。さらに、折り角の部分を淡い緑色に染め、幾重にも散り敷かれたいちょうの落ち葉を表現しています。
このように、生地を四つ折りにして、いろいろなものに見立てるお菓子はよく見かけますが、そのほとんどは外郎製でできています。
外郎製のものは弾力性があり、モチモチとした歯ごたえがあり、切れもよく、どちらかというと、男性的で荒削りな感じの食感が特徴です。
これに対して、「千草庵」さんのものは、外郎製ではなく、珍しく雪平(求肥)で作られていて、とにかくキメが細かく、絹のように繊細で滑らか、女性的な柔らかさがとても印象に残るお菓子です。
同様な手法でつくられたお菓子を集めてみました。
「銀杏(いちょう)」外郎製:塩瀬総本家
「いちょう」外郎製:彩雲堂
「いちょう」外郎製:金米堂
「銀杏(いちょう)」外郎製:塩野
「木枯し(こがらし)」外郎製:鶴屋吉信
「銀杏黄葉(いちょうもみじ)」外郎製:両口屋是清
「銀杏(いちょう)」外郎製:花見
似た手法のお菓子ですが、生地の厚さ、色合い、折り畳み方、辺縁の形状など、それぞれに個性があって、このように並べて比べてみると面白いですね。