「一つの炉を囲んで心にぬくもりを点す和菓子を」がモットーの「一炉庵」さんの霜月の上生菓子を連日お届けしています。
今日のテーマはいちょうです。
「いちょう」鹿の子製:一炉庵
白こし餡を芯にした大納言鹿の子の上に淡雪をかけ、黄色い羊羹製のいちょう葉を添えたお菓子です。
岩場に降り積もった初雪の上に、ひとひらの黄葉が舞い降りたような、晩秋から初冬へと橋渡しをするような意匠が素敵ですね。
鹿の子製の上生菓子は一炉庵さんの十八番で、この製法を用い、一年を通じて、様々な風物を描き分けています。
「春の水(はるのみず)」
「つくし」
「小桜(こざくら)」
「しだれ桜(しだれざくら)」
「岩根つつじ(いわねつつじ)」
「藤の花(ふじのはな)」
「二人静(ふたりしずか)」
「ぬれつばめ」
「湧水(わきみず)」
「笹舟(ささぶね)」
「虫の音(むしのね)」
「秋の色(あきのいろ)」
「山ぶどう(やまぶどう)」
「糸すすき(いとすすき)」
「雪華(せっか)」
「クリスマスリース」
つやつやと輝く玉石のような豆の上で繰り広げられる美味しそうな風景に食慾が刺激されます。
豆の種類も豊富で、大納言小豆はもとより、白小豆、虎豆、青えんどうなどいろいろな風味が楽しめるのも魅力です。