連日、いちょう葉を写したお菓子をお届けしています。
今日のお菓子は、印鑑のような端正な姿に目を奪われますね。
「錦繍の美(きんしゅうのび)」黄身羽二重時雨製:清閑院
黄身羽二重時雨餡できな粉入りの胡桃餡を包み、木型で押し抜いたお菓子です。
「黄身羽二重時雨製(きみはぶたえしぐれせい)」という仰々しい製法名が付いていますが、簡単に言うと、卵の黄身と白餡を混ぜた黄身餡を蒸した後、餡と一緒に型につめて抜いたものです。
この木型は「五つ捻じ扇」という家紋が原型になっています。
五つ捻じ扇(出典:家紋市場)
5枚の扇を、重なり合ういちょう葉に見立て、この図案を採用したようです。
口に含んだとたんに、ほろほろと生地がとろけ、ふんわりと卵の風味が広がります。
その後、時間差で、木の実特有の香ばしさとほのかな苦味が追いかけてきます。
黄身餡ときな粉が、クルミの良い所をうまく引き出している斬新な逸品でしたね。