「亥の子餅(いのこもち)」餅製:鶴屋八幡
小豆色に染めた餅生地で小豆つぶ餡と、小豆の蜜煮を包み、楕円形にまるめたお菓子です。
古代中国では、「亥の月、亥の日、亥の刻に餅を食べれば無病息災である」といわれ、この餅のことを「亥の子餅」といいます。
もともとは、多産なイノシシにあやかって子孫繁栄を願う意味がありました。日本では平安時代にまず貴族に取り入れられましたが、ちょうど収穫の時期でもあり、次第に収穫の祭りとして一般に広まっていったと考えられています。
亥の子餅の材料として、オリジナルの中国では大豆、小豆、大角豆(ささげ)、胡麻(ごま)、栗、柿、糖(飴)の7種類が使われていました。
日本では少し変化し、室町時代には、白、赤、黄、胡麻、栗の5色の材料を使うようになり、その後も変化を遂げ、今となっては、特に統一された形・色・材料はなく、地方によって、お店によって様々なバリエーションがあります。
「亥の子餅(いのこもち)」:三鈴
刻んだ栗が入っています。
「亥の子餅(いのこもち)」:龍月
とてもシンプルな亥の子餅です。
「亥の子餅(いのこもち)」:とらや
鎌倉時代の文献にある製法を参考に、きな粉・干柿・黒胡麻を混ぜ込んだ餅製の生地で小豆こし餡を包んでいます。
「亥の子餅(いのこもち)」:千草庵
材料は胡麻、くるみ、小豆、米粉で、きな粉をまぶしています。
「亥の子餅(いのこもち)」:ちもと
形がまん丸なのと、白ごまが入っているのが特徴です。
「亥の子餅(いのこもち)」:しげた
雪平で作られた色白のイノシシです。蜜で溶いた肉桂粉でイノシシの縞模様を描いているのが特徴です。
「亥の子餅(いのこもち)」:鶴屋吉信
生地に小豆粒と黒胡麻が練りこまれています。
「亥の子餅(いのこもち)」:長嶋屋
小豆粒が練りこまれた生地で小豆こし餡を包んでいます。
「亥の子餅(いのこもち)」:大倉山青柳
中は小豆つぶ餡で、きな粉と肉桂粉をまぶしています。
「亥の子餅(いのこもち)」:梅園
小豆を混ぜこんだ生地で、中は小豆こし餡です。
「いの子餅(いのこもち)」:田園調布あけぼの
小豆粒を練りこんだ求肥生地で白餡と栗の甘煮を包みまるめ、煉切製のもみじの葉をのせているのが特徴です。