「いの子餅(いのこもち)」求肥製 :あけぼの
小豆粒を練りこんだ求肥生地で白餡と栗の甘煮を包みまるめ、煉切製のもみじの葉をのせたお菓子です。
紅葉を散らしたり、栗が丸ごと入っていたりと、ここまで凝ったつくりの亥の子餅は珍しいですね。
古代中国では、「亥の月、亥の日、亥の刻に餅を食べれば無病息災である」といわれ、この餅を「亥の子餅」といいます。
もともとは、多産なイノシシにあやかって子孫繁栄を願う意味がありました。日本では平安時代にまず貴族に取り入れられましたが、ちょうど収穫の時期でもあり、次第に収穫の祭りとして一般に広まっていったと考えられています。
また、亥の方角は北北西で火を司る方角であることから、この日から炬燵(こたつ)を出すと火事にならないとも言われてきました。
オリジナルの「亥の子餅」は、新米にその年に収穫した大豆・小豆・ささげ・ごま・栗・柿・糖(あめ)の7種の粉を混ぜて作った餅で、亥の子、つまりイノシシの子どもであるうり坊の色や形を真似て作られたそうです。