「袴着の祝(はかまぎのいわい)」薯蕷製:菊屋
薯蕷生地に緑色の織部釉をつけ、袴着の祝いの際に使う碁盤を焼印で押したお菓子です。
「袴着(はかまぎ)」とは、5歳になった男児のみが行う七五三の風習で、幼い男の子が人生で初めて袴(はかま)を着ける儀式のことです。
袴は、江戸時代の武士達が公の場で身に着ける盛装であったことから、この儀式は幼い少年達にとって、男として社会の一員になるといった意味合いを持っています。
袴着の儀式の際には、男児は頭に冠をかぶせられ、碁盤の上に乗せられ、四方の神様を拝みます。碁盤は「勝負の場」を象徴するものと考えられていたので、子供が碁盤の上で四方の神を拝むことによって、後々その子が直面する人生の様々な「勝負の場」において、四方を制することができるように、との願いが込められた儀式だったようです。