「秋南瓜(あきかぼちゃ)」煉切製:手毬
緑色に染めた煉切でかぼちゃ餡を包み、手技でかぼちゃをかたどり、ココアパウダーを散らしたお菓子です。
この時季、かぼちゃといえば、ハロウィンの日に作るカボチャのロウソク立て(ジャック・オー・ランタン)をまず連想してしまいますね。
かぼちゃは大きく分けて、「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポカボチャ」の3種類に分類することができます。
このうちジャック・オー・ランタンに使われるのはペポカボチャです。
ペポカボチャにもいろいろな種類がありますが、色は黄〜オレンジ色で、その多くは中身が詰まっておらず、食用としては不向きなものです。
日本で一般的に出回っているのは、ほくほくして甘みの強い西洋かぼちゃです。
今日のお菓子は、全体的な形や溝の様子から、この西洋かぼちゃを写したものと思われます。
日本かぼちゃは、皮の色が黒っぽく、ヘタの断面が五角形で肩が盛り上がり、表面がでこぼこしていて、規則的に深い縦溝が入っているのが特徴です。
自然のままの黄色が美しいかぼちゃ餡は、舌触りもよく、風味豊かでとても美味しかったです。
この果肉の黄色い色の元となっているのはβ-カロテンです。β-カロテンは天然色素のひとつで、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
ビタミンAにはのどや鼻の粘膜を保護したり、再生したりして強くする働きがあり、かぜの予防にも最適です。
これから年末に向けて、何かと忙しくなりますが、疲れた身体を、おいしいかぼちゃのお菓子で労わってあげたいですね。