「木枯らし(こがらし)」煉切製:坂根屋
照葉が一枚、北風に乗り舞う様を小田巻きの手法で表現したお菓子です。中は小豆つぶ餡。
このお菓子のポイントである、糸状の煉切は、「小田巻(おだまき)」という道具を使って作ります。
これは、簡単に言えば注射器のような道具で、円筒形の筒(シリンジ)と、可動式の押子(おしこ)が主な構造です。
筒の先に小さい穴があいていて、筒の中に餡を入れて、押子で圧力をかけて押し出すと、先の穴から餡が細い糸状となって出てくる仕組みです。
「こがらし」とは、冬の到来を告げる強い北風のことで、漢字一文字で「凩」と書くこともあります。
日本の気象庁では、木枯らしの条件が具体的に設定されています。
それによると、10月半ばから11月末にかけて西高東低の冬型の気圧配置になった時、北よりの風速8メートル以上の風が吹くとその風を「木枯らし」と認定しています。
これだけ明確に定義されてしまうとなんだか味気ないですが、お菓子の木枯らしはそんな講釈は不要ですね。
いろいろな角度からじっくり眺め、美しくも美味しい木枯らしを味わいつくしました!