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奥山(豊島屋2)

「奥山(おくやま)」薯蕷製:豊島屋 

淡い紅色に染めた薯蕷生地で小豆こし餡を包みまるめ蒸し上げた後、雄鹿の角(つの)を焼き印で押したお菓子です。 

 

 

百人一首の中のある有名な歌にちなんだお菓子です。

 

「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 

    声きく時ぞ 秋は悲しき」 

人の住む村里から遠く離れた、人の来ない山奥に、絢爛たる紅葉がびっしり敷きつめられたように散っている。赤や黄色の絨毯のような情景の中から、紅葉を踏みながら鹿が現れる。角の長い雄の鹿が、天を仰いで一声寂しく高く鳴く。おそらくどこへ行ったのか分からない連れ合いの雌の鹿を求めて鳴いているのであろう。その声を聞いていると、秋はなんて悲しい季節なのだろうと思えてくるのだよ。 

(出典:百人一首講座) 

 

 

このお菓子、写真ではわかりにくいですが、光の方向を変えてよく見ると、鹿の背中の斑点模様まで丁寧に表現されています。

 

 

何を使って描いているのかは不明ですが、見た感じでは、おそらく、蒸し上げた後、つや寒天を筆でちょんちょんと付けた感じですね。