「金木犀(きんもくせい)」羊羹・時雨製:いづみや
筒状の型に伊予柑羊羹液を流し入れ、その上に黄色に染めたきめの細かいそぼろをのせ、円柱状に固めます。さらに黄色の煉切製の四弁花を添え、金粉を散らしたお菓子です。
春の沈丁花、夏のクチナシと並び、秋の金木犀は、その季節を代表する象徴的な香りですね。
ぎっしりと緻密に詰まったそぼろは、金木犀の小さな花の群れそのもの。
散りばめられた金粉は、あたり一帯に漂う濃厚な香りを表現しているようです。
このお菓子のサプライズは、伊予柑羊羹!
愛媛県の特産品である甘酸っぱい伊予柑をふんだんに練りこんだ羊羹は、香り豊かで、上品な甘さの後に、ほんのり追いかけてくるほろ苦さがたまりません。
時折り匂い立つ柑橘系の爽やかな風味が、どこからともなく漂ってくる金木犀の香りを彷彿とさせ、まさに五感を刺激される逸品でした。