「菊日和(きくびより)」きんとん製:豊島屋
小豆つぶし餡を芯にして、そのまわりに、黄色に染めた目の細かいそぼろを植え付け、頂上に黄緑色のしべを添えています。
「菊日和」とは、菊の花が盛りの頃、よく晴れて、菊の香りがしみ通るように澄んだ秋の日のことを意味します。俳句の世界では仲秋の季語になっていて、「菊うらら」とも言うそうです。
秋晴れの少しひんやりとした清々しい空気感に誘われて、散歩に出かけてみました。
風もなく日差しもおだやかで、外で過ごすのがほんとうに気持ちのよい季節になりましたね。空気が澄んでいるため視界も広がり、風景などもはっきり、くっきり見えます。
普段は通らない道をしばらく歩くと、急に視界が開けて、一面真っ黄色に染まった菊畑に出ました。清楚な菊の香りもほのかに漂ってきます。
古来より延命長寿の花としても知られる菊なので、その霊力にあやかれるよう、胸いっぱいに香りを吸い込みました。
今日はまさに「菊日和」!
日和にたまたま菊が咲いているだけなのですが、なんだか、菊が咲いたので日和になったようなそんな感覚にさえなります。
心地よさの中に、ほんの少しの寂しさを感じるのは、秋ならではの味付けなのでしょうね。