「柿の葉（かきのは）」こなし製：鶴屋吉信
紅色を基調として、部分的に緑や黄色に染めたこなしで葉をかたどり、小豆つぶ餡を入れて巻いたお菓子です。
柿の実を主題にしたお菓子は多数ありますが、柿の葉に視点を当てたものは珍しいですね。
柿の葉っぱの紅葉は、楓（かえで）と違って、色のバリエーションがとても多いのが特徴です。赤、青、緑、黒、紫、黄色、橙色、茶色など、多彩な色が複雑にからみあって発色します。
また、虫に食われて穴があいていたり、欠けたりしている風合いも実に情緒があり魅力的です。
「柿の紅葉」は冬の季語としても使われ、昔から短歌や俳句として詠われ親しまれてきました。
枯れた柿の葉っぱのように、けっして華やかとは言えないものに対しても趣を見出すのは日本人ならではの感性ですね。
