「柿(かき)」煉切製:長嶋屋
橙色に染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技で柿をかたどり、褐色に染めた煉切製のヘタをのせたお菓子です。
お菓子を真上から見た時に、時計に例えて言うならば、3時・6時・9時・12時の部分が少しへこんだ特徴的な形をしているので、次郎柿を写したものと思われます。
次郎柿とは、静岡県周智郡に住む松本次郎吉さんという人が、太田川を流れている柿の幼木を拾って植えたのが始まりと伝えられている代表的な甘柿の一種です。
国内の甘柿の中では富有柿に次いで多く栽培されているそうですよ。
次郎柿は、赤みより橙色が強く、見た目は平べったく、起伏があり、側面に4本の線状の浅い窪みができるのが特徴です。
富有柿は果肉がやわらかく、次郎柿は硬めで歯ごたえがあるため、「富有はあごで食べ、次郎は歯で食べる」と言われています。
ということは、この甘くて美味しい、とろけるようなお菓子の柿は「舌で食べる」ということになるでしょうね。