「柿(かき)」羊羹製:大倉山青柳
橙色に染めた煉切で小豆こし餡を包み俵型にまるめます。さらに、ギザギザの紡錘形に型抜きした橙色の羊羹生地でこれを包み、煉切製の蔕(へた)を添えたお菓子です。
秋の和菓子のテーマとして、栗とともによく取り上げられるのが柿ですね。
柿を主題にした上生菓子は、その果実の姿を写実的に表現したものが圧倒的に多いですが、時折斬新な意匠に出会ってハッとさせられることがあります。
今日のお菓子は、視点を変えた工夫が印象に残る逸品です。
生地をふたつ折りにして、着物の袖のように餡を包み込む技法は和菓子でよく用いられる手法ですが、それをうまく生かした遊び心あふれる作品ですね。
いろいろな角度から眺めてじっくり鑑賞しながらいただきたいお菓子です。