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みのり(柏屋)

「みのり」煉切製:柏屋 

黄色と白にぼかし染めた煉切生地に千筋を付け、二つ折りにして栗餡を包みます。さらに、稲穂の型を押し、鳴子縄(なるこなわ)に見立てた赤色煉切の紐を添えたお菓子です。 

 

 

鳴子とは、実った稲穂をついばみに来るスズメを追払うための仕掛けのことです。 

 

小さい板に数本の細い竹筒を吊り並べたもので、これを長い縄の中途に掛け連ねて田畑に張り、一端を引っ張ることで竹筒が板にぶつかって音が出る仕組みになっています。この縄のことを鳴子縄といいます。 

 

 

今ではもう見かけることもない、なんとも悠長で微笑ましい昔の仕掛けですが、動物を傷つけたり、自然を汚したりしない、環境に優しい装置ですね。 

 

澄みわたった秋空にカラカラと賑やかに響く鳴子の音が聞こえてきそうな逸品です。 

 

非効率な用具や装置はどんどん淘汰されていきますが、季節感があり郷愁を誘うこのような古き良き道具が、お菓子の形で残されているのはとても貴重ですね。

 

 

鳴子と稲穂を描いた暖簾(出典:http://www.fujimura-sharaku.com/?page_id=17)