「コスモス」煉切製:金米堂本店
黄色く染めた煉切で小豆こし餡を包み、ピンクのコスモスと緑の細長い茎を象嵌細工のように埋め込み、円柱形にかたどります。さらに煉切製のコスモスの花を一輪添えたお菓子です。
断面を見ると、こし餡の上に白い煉切の層があるのがわかりますが、これは、中の餡の色が透けて表面の煉切の色合いをくすませないようにカバーしているのだそうです。
美しさを追求する裏に、このような配慮が隠されているのを知ってとても感動しました。
コスモス 与謝野晶子
一本のコスモスが笑つてゐる。
その上に、どつしりと
太陽が腰を掛けてゐる。
そして、きやしやなコスモスの花が
なぜか、少しも撓(たわ)まない、
その太陽の重味に。
(与謝野晶子詩歌集 神保光太郎編 白凰社 より)