「すすき」煉切製:蜂の家
黄色と小豆色に染め分けた薯蕷煉切を平らに伸ばし千筋をつけ、すすきの型を押し、小豆こし餡を袖状に巻き包んだお菓子です。
黄色い部分は、黄金色の絨毯のように広がるすすき野原を表しているのでしょうか?あるいは、すすきの背景に金色に実った稲穂が広がっているようにも見えますね。
蜂の家の名物「まゆ最中」は、餡がとても美味しくて大好きなのですが、この上生の餡も、それに似た、少し甘めで深いコクのある風味が私好みです。
中秋の名月のお供えとして、風情あるたたずまいを見せてくれるすすき。秋の七草のひとつとしても親しまれています。
風に揺れる花穂(かすい)は、馬などの尾に似ているため、別名を「尾花(おばな)」ともいいます。
また、秋風に吹かれなびく姿から「乱れ草」「敷波草(しきなみぐさ)」「袖振草(そでふりぐさ)」といった異名もあります。
秋が深まるにつれて、花穂は黄褐色から紫褐色に変化し、そして最後は真っ白な綿毛のようになります。
やわらかい日射しにきらめく花穂も、寒風にさらされたうら寂しい姿も、いずれも秋の風景に欠かせない大切なワンシーンですね。