「すすき野(すすきの)」麩焼製:鶴屋八幡
黄色く染めた白こし餡を、白い麩焼き皮で帛紗(ふくさ)折りにして包み、生地の一部を丸くくり抜いて中の黄餡を露出させ、満月を写します。最後にすすきの焼印を押して完成です。
麩焼き皮は、小麦粉、卵、糖蜜をとろりと流れるくらいのやわらかさにこねつけ、一文字鍋で色づかないように焼いたものです。しっとりとなめらかな焼き肌が特徴で、色餡との映りもいいですね。
しなやかなやわ肌のような麩焼生地には、このようなきめ細やかでなめらかな餡がよく合います。
すすきは、秋の七草のひとつで、お月見のお供えとして欠かせないものです。
十五夜には収穫物と一緒に供えられ、収穫物を悪霊から守り、翌年の豊作を祈願する意味があるといいます。
華やかとは言えないすすきにも趣を見出すのは日本人ならではの感性ですね。