「栗鹿の子(くりかのこ)」煉切製:森八
小豆煉切の所々に白煉切を斑点状に付け、白小豆つぶ餡を包み茶巾絞り仕立てにします。さらに白い部分に栗の蜜付けを配したお菓子です。
鹿の子(かのこ)は、和菓子の一種で、餅、求肥、羊羹のうちどれかを芯にして、そのまわりに餡をつけ、できた餡玉の外側全体に形の整った豆の蜜漬けを隙間なくつけたものです。
典型的な鹿の子はこのような感じです。
「大納言鹿の子(だいなごんかのこ)」鹿の子製:喜利家
使われる豆は小豆や金時豆、うずら豆やうぐいす豆などがあります。
硬めで形の整ったものであれば豆でなくてもよく、栗を使った栗鹿の子もあります。
「栗鹿の子(くりかのこ)」鹿の子製:とらや
鹿の子という名前の由来は、整った粒が隙間なく並ぶ様子が鹿の背の斑点を思わせることからつけられたといわれています。
豆と豆の間隔をもう少し空けて配置するとそれらしくなると思うのですが、粒が密集しすぎているので、鹿の斑点模様というよりも、大仏さんの頭に見えてしまい(大仏さん失礼)、私はいまひとつこのネーミングに合点がいきませんでした。
でも、今回出会った森八さんの「栗鹿の子」は、褐色の生地の所々に白い生地がある様がまさに鹿の斑点にそっくりです。
さらに、白い部分に栗を付けて栗鹿の子とするとは、予想をいい意味で裏切る斬新なアイデアですね。