「栗苞(くりづと)」葛製:松月堂
地元、岐阜県中津川市特産の新栗の実に少量の砂糖を加え、水は一切加えずに、ほっくりと炊き上げた「栗きんとん」を、本葛を加えた透明の美しい衣で包み込んだお菓子です。
栗苞の「苞(つと)」とは、「包(つつ)む」と同語源の漢字で、本来は、わらなどを束ねて、その中に食品を包んだもの(わらづと)の意味です。また、その土地の産物、旅のみやげという意味もあります。
よって、「栗苞」は、この土地の特産物である栗を葛生地で包んだもの、栗のおみやげ、という意味が込められているのでしょう。
栗菓子の人気投票では、何といっても栗きんとんが一位ですが、その栗きんとんにひと手間かけて作った、創作栗きんとん「栗苞」は、松月堂の人気ナンバー2の商品です。
本葛粉を使用した弾力のある、 つるんとした衣が、とろけるような栗きんとんをやさしく包み込んでいます。
栗きんとんは時間の経過とともに、水分が蒸発して、少しぱさついた感じになってきますが、葛生地で包んで密封することによって、風味を逃さずに美味しさを保てます。
ひとくち含めば、新栗の香り高い風味が口いっぱいに広がり、葛独特の食感とも相まって、とてものどごしなめらかな逸品に仕上がっていました。
常温でいただくのもよし、冷やしてからいただくのもまた一興ですね。
中津川の秋