「栗かのこ（くりかのこ）」鹿の子製：船橋屋
丹波の新栗を蜜漬けにして、つぶが大きく、形のきれいなものを選び、黄身餡玉の表面に付けます。さらに、中心部に橙色と白にぼかしそめたそぼろを添えています。
栗が花びら、中心のそぼろがシベに見え、黄色い花を写しているようですが、秋に咲く黄色い花といえば何でしょうね？
栗の鮮やかな黄色と黄身餡のやさしい黄色、身の締まったぷりぷりの栗と、とろけるやわらかさの黄身餡、まさに相性ピッタリです。
また、蜜漬けにされ、その風味を中にたっぷり閉じ込められた栗と、しっとり口当たりのよい黄身餡との絶妙な美味しさのバランスも見事です。
中の白餡基調の黄身餡は、外側の栗の味や香りにしっくり合うように、餡のかたさや糖度をできるだけそろえるように工夫されているそうです。
栗を贅沢に使ったこのようなお菓子は、素材そのものがダイレクトに味わいを決めるため、原料栗の吟味がものを言いますね。
秋の夜長の語らいの時間のおともとして、また、読書の息抜きに、美味しいお茶と一緒にいただきたいお菓子です。
