「秋明菊(しゅうめいぎく)」煉切・きんとん製:栗山
緑と白の二色のそぼろを小豆つぶ餡のまわりに植え付け、その上に煉切製の白い花を配し、秋明菊を写したお菓子です。
秋明菊は、菊とはいってもキク科ではなく、キンポウゲ科の多年草です。
花色は薄紅色や白ですが、花びらのように見える部分は花弁ではなく萼片です。
花の中央には多数の雌しべが球状に集まり、黄緑色の玉になっています。その周囲を多数の黄色い雄しべが取り巻いています。
見た目のしなやかで可憐な風情とは裏腹に、繁殖力が旺盛で寒さにもとても強い屈強な花です。
このお菓子の輝くような白さは、まさに秋明菊の「明」のイメージにぴったりです。また、黄色いしべの燃え上がるような勢いは、この植物の持つ強靭な生命力を表しているようですね。