「秋明菊(しゅうめいぎく)」きんとん製:ふくさや
ピンク色に染めたそぼろを小豆こし餡のまわりに植え付け、その上に黄色いそぼろをのせ、秋明菊を写したお菓子です。
秋明菊は、菊とはいってもキク科ではなく、キンポウゲ科の多年草です。
昔、中国に渡航していた修行僧が日本に持ち帰った花で、この世のものとは思われないほど美しく、まるであの世(冥土)からやって来たような花だといわれました。
また、原種は八重咲きで、菊の花に似ており、しかも秋に咲くことから、当初は「秋冥菊」と命名されました。
しかし、「冥」の字が暗い印象なので、同じ読みの「明」に変えて、「秋明菊」となったそうです。
花色は薄紅色や白ですが、花びらのように見える部分は花弁ではなく萼片です。
花の中央には多数の雌しべが球状に集まり、黄緑色の玉になっています。その周囲を多数の黄色い雄しべが取り巻いています。
見た目のしなやかで可憐な風情とは裏腹に、繁殖力が旺盛で寒さにもとても強い屈強な花です。