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なでしこ(一炉庵)

「なでしこ」煉切製:一炉庵 

本紅(ほんべに)で赤く染めた煉切で小豆こし餡を包みまるめ、撫子の花をかたどった木型で押し抜いたお菓子です。緑色の羊羹製の細い葉を添えています。 

 

本紅とは、紅花の色素を梅酢で分離した色素のことで、生産に手間と時間がかかるため非常に高価で、『金一匁(もんめ)紅一匁』という言葉通り、同じ重量の金に匹敵する価値があるとも言われていた最高級の天然色素です。

 

 

撫子といえばピンク色が一般的ですが、白や赤の花色もあります。

 

今回のお菓子は目の覚めるような本紅で真っ赤な撫子を描いています。カーネーションも同じナデシコ科の花なので、赤だとカーネーションのようにも見えますね。 

 

色別に花言葉があって、ピンクの撫子は「純粋な愛」、白は「器用」「才能」、そして、赤は「純粋で燃えるような愛」だそうです。 

 

撫子は清く美しくおしとやかなイメージですが、赤い撫子はさらに情熱が加わり、新鮮な魅力が加味されますね。