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名月(豊島屋)

「名月(めいげつ)」羽二重餅製:豊島屋 

中央の餅は、黄身餡を羽二重餅で包みまるめ満月に見立て、餅つきをしているうさぎを肉桂粉で描いています。その周りの五個の餅は、小豆こし餡を芯にして、その上に、黄色いこなしで作った五種類に満ち欠けした月をのせ、羽二重餅で包みまるめています。

 

 

杉材の薄板「経木(きょうぎ)」で作ったまんまるの容器に6個のお餅がセットになったお月見用のお菓子です。

 

中央のお餅が満月、その周りを上から右回りに有明の月、下弦の月、十三夜月、上弦の月、三日月の五種類の月の満ち欠けを表現したお餅が囲んでいます。 

 

天文愛好家にはたまらないお菓子でしょうし、そうでなくても、徐々に満月に近づいていく月を見ながら十五夜への期待感が高まっていく様子が見事に表現されていますね。 

 

まずどれから食べようか、選ぶ楽しみもあります。中央の満月を最初に食べるか、最後に残すか?私は一番に食べる派ですね。

 

 

中の黄身餡はとても口どけがよいのに、深いコクが余韻を引く、まさに主役の満月にふさわしい印象的な味でした。 

 

 

透けるように薄い餅皮越しに、中の小豆あんが背景の夜空を表し、その中に黄色い三日月がおぼろげに浮かんでいる様子が味わい深く表現されています。 

 

お餅のサイズ感も甘さ加減もちょうどよかったので、十五夜を待たずして、今日一日で完食してしまいました。