昨夜は中秋の名月でしたが、私の所ではあいにくの天気でお月様は見られませんでした。
そんなわけで、今日は、せめてもの慰みに、可愛い月うさぎを写したお菓子をいただくことにしました。
煉切や求肥、外郎など、いろいろな素材で作られたものがありますが、一番よく見かけるのは、薯蕷饅頭で作った月うさぎです。そこで、今回は薯蕷製のもの限定という条件でいろいろ集めてみました。
まずは、基本中の基本形の月うさぎです。
月に見立て、まん丸に作った薯蕷饅頭に焼印の耳の型を押し、赤い目を描いた意匠です。
「月うさぎ(つきうさぎ)」薯蕷製:秋色庵大坂家
中は小豆こし餡のことが多いのですが、大坂家さんはひとひねりして、鮮やかな黄身餡が入っています。黒文字を入れると、中から満月が登場する心憎い演出です。
基本形のバリエーションとして、胴体を楕円形にしたものもよく目にしますね。耳の焼印の形もお店によって様々です。
「うさぎ」薯蕷製:盛光堂総本舗
焼印の配置や濃淡の違い、目の位置や色合いの微妙な違いによって表情が変わるのも面白いですね。
手づくりならではの、色のかすれやにじみ、むら、非対称などもかえって味わいとなります。
目の部分は、赤い色素で描かれることが多いですが、ひと手間かけて、赤い羊羹製の粒状の目を付けたものもありますね。
「うさぎ饅頭(うさぎまんじゅう)」薯蕷製:志むら
「月うさぎ(つきうさぎ)」薯蕷製:村上
羊羹特有の潤んだような輝きが、目に生命感を与えていますね。
薯蕷生地を丸めて作ったかわいい尻尾をつけたものもあります。
「うさぎまんじゅう」薯蕷製:寿々木
次の一品は、耳は焼印ではなく手描きでしかもやさしいピンク色。さらに目以外に鼻(または口)まで描かれています。
「うさぎ饅頭(うさぎまんじゅう)」薯蕷製:鈴木家
耳をハサミで切り出したものもあります。切り口から中の美味しそうな餡が顔を覗かせています。
「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」薯蕷製:しげた
さらに耳を立ててみました。
横から見た姿を描いたものもあります。
「月うさぎ(つきうさぎ)」薯蕷製:仙太郎
こんな個性的な一品もあります。
「うさぎまん」薯蕷製:龍月
尻尾ばかりでなく耳まで薯蕷生地で立体的に仕上げた彫刻風の月うさぎです。