「月兎(つきうさぎ)」黄身時雨製:花ごろも
小豆こし餡を黄身餡で包み蒸し上げ、その上に煉切でかたどったうさぎを配したお菓子です。
360度、いろいろな方向からじっくり眺めてみましょう。
クリクリの瞳、ピンと前後にのびた脚、しなやかなピンクの耳、丸いころころの尻尾など、どの角度から見ても可愛らしさ満載ですね。
日本では月の模様を、「うさぎが餅をついている」ととらえますが、世界各国いろいろな見方があり、調べてみるとおもしろいです。
ウサギ以外に、カエル、カニ、シカ、トカゲ、ライオン、ロバ、ワニなど様々な動物に見立てられています。
さらに、いろいろな人の姿、例えば、女性の横顔、シカに餌をやる女性、縫い物をする女性、本を読む老婆、揺り椅子にすわる老婆、水汲みをする男、薪を担ぐ男、かぼちゃを食べる男、さらにはキャベツ畑の泥棒なんていうものまであります。
こうして見てみても、和菓子のテーマにするのでしたら、やはり、日本のウサギが一番かわいらしくて絵になりますよね。
今回のお菓子は「餅をついている」という定番の意匠ではありませんが、 楽しそうに飛び跳ねている姿から、この歌を思い出しました。
♪ う〜さぎうさぎ なに見てはねる 十五夜お 月さま見ては〜ね〜る〜 ♪