「夏萩(なつはぎ)」きんとん製:大倉山青柳
緑色と白にぼかし染めたそぼろを小豆つぶ餡のまわりにこんもりと植え付け、紐状の緑の羊羹のまわりに赤と白のみじん粉を散らし、夏萩を写したお菓子です。
少し違う角度から見ると、そぼろのはね具合が変化し、お菓子の表情が変わります。 光の当たり方も変わって、色合いがより明るくなりましたね。
きめ細かく、やわらかいきんとんには、自己主張の強いつぶ餡との相性が抜群です。断面で見ると、少々やんちゃなつぶ餡を、大きな懐で包み込んでいるやさしいきんとんの様子がよくわかります。
夏萩とは、夏に花を咲かせる萩の総称で、6月頃から咲き始める宮城野萩(みやぎのはぎ)や、7月ごろに開花する犬萩、猫萩などが含まれます。
萩というと秋の花、秋の七草としてのイメージが強いですが、夏に咲くものもあるのですね。
緑色の葉の間から紫紅色の花をのぞかせる夏萩。秋に咲く山萩に比べて花の数が多く、色もより鮮やかです。
長く枝を伸ばし、上から下へと流れるように咲く花姿に涼しさを感じます。