「こぼれ萩(こぼれはぎ)」煉切製:秋色庵大坂家
小豆煉切を緑色の煉切でぼかし染めて黄身餡を包み、萩の葉をかたどった木型で押し抜き、紅白のみじん粉を散らしたお菓子です。
萩の葉は、「 三出複葉(さんしゅつふくよう)」といって、本来1枚の葉であったものが進化(変化)して3つの小さな葉に分かれた形が特徴で、クローバーと同類の葉っぱです。
三枚ずつ仲良く並ぶ三姉妹のようなかわいい葉っぱにスポットを当てたお菓子です。
早いものは夏前から咲き出し、10月末頃まで長く楽しめる萩は万葉集の中で最も多く詠まれた植物です。
万葉人は萩が咲くのを心待ちにしていたようで、現代のわれわれが桜の花を愛でるような感覚で、萩の花見を楽しんだそうです。
豊かに咲き満ちる萩の花は、豊穣の秋のシンボルともされています。
こぼれんばかりに咲き誇る萩も見事ですが、こぼれ散る萩の美しさにも心打たれるものがありますね。