「秋の七草(あきのななくさ)」錦玉製:菊家
いろいろな色に染めた淡雪羹やそぼろで秋の七草を作り、錦玉の中に閉じ込めたお菓子です。
秋風にそよぐ草花を見ていると、懐かしいような切ないような、郷愁めいた気持ちになってきます。
「七草」には春と秋の二種類がありますが、元々の「七草」は秋の七草を指し、小正月(1月15日)にお粥にしていただく方は「七種」と書いて「ななくさ」と読むのが正式だそうです。
ところで、秋の七草をすべて言えますか?
この時期が来るといつも覚えるのですが、1年たつと、いくつか思い出せなくなって、また覚えなおすという繰り返しです。
ネットでおもしろい語呂合わせの覚え方を見つけました。
「お好きな服は?」→「おすきなふくは」
お→ おみなえし
す→ すすき
き→ ききょう
な→ なでしこ
ふ→ ふじばかま
く→ くず
は→ はぎ
と覚えるとよいようです。
さて、このお菓子に、七草が全種類はいっているかどうか確認してみましょうね。
まず、ギザギザした花びらは撫子(なでしこ)で間違いないでしょう。
向かって左側の五枚の丸っこい花びらは女郎花(おみなえし)のようです。
菊の御紋のようにたくさんの花びらをつけた一番目立つ花は何でしょうか?放射状に綿毛を出した藤袴(ふじばかま)でしょうか?
その花の陰に一部分だけ見える星型の花は桔梗(ききょう)でしょうね。
これら花びらの下に敷き詰められた緑色のそぼろは、葛(くず)や萩(はぎ)を写していると思います。
すすきらしきものは見当たりませんが、花の陰に隠れている姿を想像して、七種類全部がひとつのお菓子の中に詰まっていると考えたいですね。