葛粉で作られた上生菓子は数えきれないほどありますが、葛の花を写したお菓子ということになると、ほとんどありません。
その特徴的な花姿はお菓子で表現しやすそうなのですが、七草を描いたお菓子の中では一番稀少ですね。
そんな中、昨年は、目黒区にある「ちもと」さんで奇跡的に見つけることができました。
今年は、他のお店のものがないか、早い時期からいろいろ探しまわりましたが、結局見つけ出すことができませんでした。
そこで今年も「ちもと」さんに頼ることに。昨年の意匠からマイナーチェンジやバージョンアップしていたらいいなあと淡い期待を持ちながら行ってみると、ちゃんとありました!
でも、意匠は昨年と同じです。
「葛の花(くずのはな)」きんとん製:ちもと
緑色に染めたそぼろを小豆つぶ餡のまわりに植え付け、赤く染めた煉切の粒を散らし、葛の花に見立てています。
葛の花は、紅紫色の無数の小花が円錐状に集まって咲きますが、これが葡萄の房を逆さまにしたような形に見え、その香りもワインに似た甘美な匂いがするのが印象的です。
葛の根からとれるのがあまりにも有名な葛粉で、和菓子には欠かすことのできない貴重な植物ですよね。
葛で作った葛の花のお菓子をいつか一度でいいので是非食べてみたいものです。