「赤トンボ(あかとんぼ)」淡雪羹製:菊家
白と水色にぼかし染めた淡雪羹の上面に、とんぼの型で抜いた橙色の錦玉を象嵌細工のように埋め込んだお菓子です。秋風に乗って飛び交う赤とんぼの姿を爽やかに写していますね。
「赤とんぼ」というのは、とんぼの種類の名前ではなく、胴体が赤いとんぼの総称です。
その中には、秋茜(あきあかね)、深山茜(みやまあかね)、猩々蜻蛉(しょうじょうとんぼ)、姫茜(ひめあかね)など、様々な種類が含まれます。
子供の頃、虫とり網をめくらめっぽうに振り回しただけでも簡単に網に入ってくるほどたくさん群れ飛んでいた赤とんぼですが、最近は激減しているそうですね。
いずれ、童謡『赤とんぼ』や、このような和菓子の中だけでしか見られなくなるとすれば寂しい限りです。