「山ぶどう(やまぶどう)」鹿の子製:一炉庵
白小豆こし餡を芯にした白小豆鹿の子の上に淡雪羹をかけ、紫色の羊羹でぶどうの粒々を描き、緑の羊羹製の蔓(つる)と葉を添えたお菓子です。
山ぶどうは山地に生えるぶどうの仲間で、九州を除く日本各地の山中で普通にみられます。
蔓はまわりの樹木に絡まりながら長く伸び、秋に黒紫色の小粒の実を房状につけます
。
その味は酸味が強く生食には向かないので、ジャムやジュース、ワインなどに加工されます。
山ぶどうといえば、素朴で野性味が溢れるイメージですが、このお菓子はとても可愛らしく上品に仕上がっているのが意外で新鮮でした。
貴重な白小豆をふんだんに使っているだけあって、とてもやさしくまろやかな味に仕上がっていましたが、その中でしっかりと主張する小豆の風味は、野趣に富んだ山ぶどうの味わいに通じるものを感じました。