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ぶどう総集編

「ぶどう」雪平製:桔梗屋 

雪平生地で白こし餡を包み、その上に紫色に染めた羊羹を粒状に付け、緑色の羊羹で蔓を描き、ぶどうを写したお菓子です。 

 

 

ぶどうは最も古い栽培植物の一つで、かつては世界で一番の生産量を誇る果物でした。

 

ヨーロッパでは豊穣と生命のシンボルとされ、ブドウ酒としてまた薬として愛用されてきました。 

 

日本へは、シルクロードを経て中国から伝わり、鎌倉時代にはすでに甲州で栽培が始まっていたといわれています。 

 

蔓や葉っぱ、房などの造形はどちらかというと西洋風の佇まいですが、上生菓子の主題としても時折見かけます。

 

「夏葡萄(なつぶどう)」求肥製:彩雲堂 

 

真っ白でやわらかい求肥生地の上に、繊細なタッチで葡萄を描いています。

 

 

「山ぶどう(やまぶどう)」羊羹製:富貴

 

小粒ですがキリリと酸っぱい山ぶどうを羊羹製で表現しています。

 

 

「ぶどう」雪平製:千草庵

 

羊羹製の実や葉、蔓が夏の太陽を浴びて、キラキラと光り輝いています。

 

 

「黒葡萄(くろぶどう)」錦玉製:とらや

 

たわわに実った、艶やかな葡萄の一房をかたどっと瀬戸型に、黒砂糖入りの錦玉を流し込み白小豆こし餡を包んでいます。

 

 

「ぶどう畑(ぶどうばたけ)」煉切製:船橋屋

 

辺縁に大胆なギザギザを入れた葡萄の葉の上に瑞々しいひと房の蒲萄を写しています。 

 

 

「葡萄(ぶどう)」煉切製:福島家 

 

ぶどうの房の部分は紫色と白にぼかし染め、葉の部分は緑色に染めた煉切をぶどうの形の木型で押し抜いた作品です。羊羹製の蔓(つる)を添えています。

 

 

「山ぶどう(やまぶどう)」鹿の子製:一炉庵 

 

白小豆こし餡を芯にした白小豆鹿の子の上に淡雪羹をかけ、紫色の羊羹でぶどうの粒々を描き、緑の羊羹製の蔓(つる)と葉を添えたお菓子です。 

 

 

宝石のように美しく輝く実、しなやかな曲線を描く蔓、端正な葉など、上生菓子の意匠としても魅力満載ですね。