· 

初秋の味(三英堂)

「初秋の味(しょしゅうのあじ)」錦玉製:三英堂 

黄緑色に染めた餡を耐水紙で包み錦玉液を流し、茶巾絞り仕立てにして固めます。さらにみじん粉を散らし、さくらんぼのヘタを挿して梨に見立てたお菓子です。 

 

梨の実がたわわに実る季節になりましたが、その瑞々しさを爽やかな錦玉で見事に表現した逸品です。 

 

日本の梨の特徴である、果皮のザラザラした粒子状の斑点をみじん粉で、ヘタを本物のさくらんぼの軸を代用して描写したのは上手い着想ですね。 

 

シャキシャキとした食感とジューシーな甘さが特徴の梨ですが、フルフルした錦玉としっとりした甘さの餡からその雰囲気が伝わってきました。 

 

「秋暑」という季語があるように、秋に入ってもなお暑い日がありますが、涼しげな味と香りを持つ梨を食べると、残暑がやわらぐとともに、秋の訪れをも実感できますね。