「露草(つゆくさ)」錦玉製:菊家
白小豆こし餡を芯にして、外側に青紫色に染めた錦玉をかけて絞り固め、露草に見立てたお菓子です。
まさに、露草色に輝く美しいお菓子ですね。
真っ白なこし餡とのコントラストが爽やかな初秋の空気をも感じさせてくれます。
奈良時代には摺染(すりぞめ)といって、露草の花びらを直接衣服に摺りつけて染める方法があったそうです。
露草の美しい自然の青をそのまま衣に移したいという気持ちはよくわかりますね。
その後、露草から作られた染料は、水で消える特徴があることがわかり、友禅染めの下絵を描くときに用いられるようになりました。
このように、色が褪せやすい特性から、「うつろう」「消える」などに掛かる枕詞にもなり、多くの歌に詠まれています。
そんな露草のはかなげな様子が、透明感あふれる素材で巧みに表現されていますね。