「白露(はくろ)」きんとん製:甘春堂
小豆つぶ餡を芯にして、そのまわりに緑色と白のまじりきんとんを植え付け、さいの目状の錦玉を散らしたお菓子です。
緑色のそぼろは草木を、白いそぼろは冷え込み始めた秋の空気感、錦玉は草木に結ぶ露を表しているように見えます。
二十四節気の中の十五節気「白露」は、大気が冷えてきて露を結ぶころのことで、ようやく残暑も落ち着き、本格的な秋が訪れます。
新暦でいうと9月7日〜11日頃に相当し、朝晩と日中の気温差により、草に降りた美しい露が白く輝く光景をよく見かけるようになります。
露は月が夜の間にこぼした「月の雫」とも呼ばれ、また、花や宝石などにも例えられ、「露華(ろか)」「露珠(ろじゅ)」「玉露(ぎょくろ)」などといった美しい異称もあります。
露に濡れて香り立つ草木からも、秋の深まりを感じられますね。