「夏もも(なつもも)」月餅製:鶴屋八幡
一部分をピンク色に染めた月餅生地で黄身餡を包み、手技(てわざ)で桃の形をかたどったお菓子です。
月餅製とは、鶴屋八幡さん特有の製法名で、 いわゆる中国菓子の月餅とは全く別ものです。 これは、求肥に似たもので、求肥は餅粉を使うのに対し、月餅は米粉を使うということで区別しているそうです。
黄身餡の黄色を半透明の月餅生地を通して見ると、自然な桃の淡黄色に見えるのが素晴らしい。
桃の美味しい季節になりましたね。
すっきりとした一筋の割れ目がポイントになっている現代アートのような形、黄色とピンク色にぼかし染めたやさしい色、ビロードのようなやわらかいうぶ毛で覆われた果皮、その薄皮をツルンとはがす時の感触、指で少し押すだけでへこんでしまうデリケートな果肉、ほんのり甘い香り、滴り落ちる果汁、こくのある芳醇な風味など、語り尽くせないほど魅力のあるフルーツです。
桃を写した上生菓子もたくさんありますが、バリエーションは比較的少なく、写実的な表現が多いですね。
生地の違い、色合いの違い、葉っぱのあるなし、餡の違いなどを楽しんで味わいます。