「むくげ」煉切製:立田野
ピンク色に染めた煉切で、求肥を芯にした小豆こし餡を包みまるめ、さじ切りという技法を用いて花びらをかたどり、むくげの花を写したお菓子です。
朝の日射しを受けて、美しい花をつけるむくげを、凸面で表現したユニークなお菓子です。
本来は盃(さかずき)形に中央がくぼんでいる花ですが、真上からじっと眺めていると目の錯覚で、凹んで見えるような瞬間があるのが面白いですね。
花の底が赤いものが多いのが特徴ですが、その部分もよく再現されています。
漢字では「槿」と書いて、一文字で「むくげ」と呼びます。
朝、開き、夕べにはしぼんでしまうことから、はかない栄華に例えられ「槿花一朝(きんかいっちょう)の夢」という素敵な表現にも用いられています。