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木槿(菊屋)

「木槿(むくげ)」こなし製:菊屋 

薄紅色と紅色の二色に染め分けたこなしで餡を包み、茶巾絞り仕立てで丸く花形をかたどり、中央部をへこませ木槿の花を写したお菓子です。

 

木槿(むくげ)は、ハイビスカスや芙蓉(ふよう)の仲間。花の色は白、ピンク、赤などで、5弁花です。

 

早朝に花が開き、夕方にはしぼんでしまうという一日花(いちにちばな)。 

 

このことから、儚いものの例えとしてよく引き合いに出され、歌に詠まれたり、「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」(人の世は、はかないという意)という言葉にも登場します。

  

個々の花は短命ですが、新たな花が次々と咲き続け、夏から秋にかけて長期間花を楽しめます。

 

木槿は、韓国の国花でもあり、韓国の象徴とされ大切にされています。

 

「散って咲き、また散っては咲く生命力の強さ」または「一時に咲かず、ねばり強く咲き続ける様」が、韓国人の歴史と国民性を表すといいます。

 

韓国では、若葉を食し、葉はお茶として飲まれるそうです。

 

樹皮を乾燥したものを生薬で木槿皮(もくきんぴ)といい、水虫などに効く。また、花を乾燥したものを生薬で木槿花(もくきんか)といい、胃腸炎などに効きます。