今日のお菓子のモチーフとなったのはこちらの絵です。
上村松園《詠哥》
(出典:http://www.yamatane-shop.com/product/327)
和歌を詠む女性の姿が、たおやかに描かれています。
着物の柄から髪飾りまで、精緻に描写されていますから、お菓子で表現するには大胆なデフォルメが必要になりますね。
「よみびと」きんとん製:菊家
緑色に染めたそぼろを黒糖風味の大島餡のまわりに植え付け、白い長方形の煉切を添えたお菓子です。
そぼろの色は、画中の女性の着物の色に合わせたもので、長方形の煉切は、手に持つ短冊に見立てられています。
短冊には銀箔が散りばめられ、さらにつや寒天でコーティングされているので、美しく光り輝いています。限られた文字数の中で磨き上げられた素敵な一首が生まれそうな雰囲気ですね。
大島餡とは、黒糖を使った餡のことで、黒糖の産地として有名な奄美大島にちなみこう呼ばれています。
ふくよかな甘みの中に、かすかなほろ苦さもあり、それでいて雑味のない、黒糖ならではの濃厚な風味が印象に残る逸品でした(^^♪