「大文字(だいもんじ)」葛製:末富
小豆こし餡をまるめ、その上に赤く染めたこなし製の「大」の文字をのせ、葛で包み込んだお菓子です。
京都では8月16日、お盆の最後の宵に、大文字山で、「大」の字をかたどった送り火を焚きます。
これに続き、周辺の山々で「妙」「法」「船形」「左大文字」「鳥居形」が次々に灯ります。
「大文字焼き」とも、単に「大文字」とも呼ばれる恒例の行事ですが、正確には「五山の送り火」と言い、お盆に帰ってきた先祖の魂を、各家で供養した後、再びあの世に送り出すという宗教的な意味合いがあります。
以前に京都に住んでいた頃に何度か実際に見たことがありますが、見るたびに「もう夏も終わりだなぁ」というしみじみとした気持ちになったものです。
葛生地越しにやや霞んで見える大の文字が、そんな感傷的な気分をうまく表現しているようですね。