「沙羅の花(しゃらのはな)」焼皮製:鶴屋吉信
白い焼皮で粒餡を包み、5枚の花弁状に折りたたみ、中央には、雌しべに見立てた黄緑色の煉切の角(つの)と、雄しべに見立てた朱黄色のそぼろを添えています。
沙羅の花とは、ツバキ科の植物で、夏に椿とよく似た花を咲かせるため、「夏椿(なつつばき)」とも呼ばれています。
清楚な白い上品な花で、花びらの縁(ふち)に、こまかいギザギザがあるのが特徴です。朝に開花し、夕方には落花する一日花です。
樹の幹はすべすべしていて、サルスベリに似ています。
平家物語の有名な一節「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」 の中に登場する沙羅双樹(しゃらそうじゅ)の花と混同されることが多いですが、まったく別物だそうです。