「夕顔(ゆうがお)」雪平製:文銭堂本舗
白こし餡入りの雪平饅頭を、黄色に染めた葛羊羹で包み、黒胡麻の蕊(しべ)を添え、夕顔を写しています。葛羊羹とは、白餡と本葛、寒天、砂糖で作った羊羹のことです。
早朝に咲いて、昼前までにしぼんでしまうのがアサガオ 。
朝花開き昼の間中咲き、夕方にしぼむのがヒルガオ 。
夕方に花開き、夜通し咲き、翌日の朝しぼむのがユウガオとヨルガオ 。
このうち、アサガオ・ヒルガオ・ヨルガオはいずれも同じヒルガオ科の植物なのですが、ユウガオだけはウリ科です。
園芸店などでは、ヨルガオをユウガオとして売っている場合もあり、両者が混同されていることもありますが、まったく別物です。
ユウガオは大きな丸い果実を実らせることが特徴で、その実を細長い帯状に剥いて加工したものが、いわゆるかんぴょう(干瓢)ですね。
ユウガオは純白の縮れたような花を咲かせますが、このお菓子は黄色い衣で包まれています。
この黄色は何に由来するものでしょうか?
黄金色に染まった夕暮れ時の雰囲気を表していると考えるのが自然ですが、もしかしたら、有名な『源氏物語』の夕顔の章の中に何かヒントがあるのかも知れませんね。