「夏茄子(なつなすび)」外郎製:とらや
紫色に染めた外郎生地でごま入りの道明寺を包み、こなし製のヘタをつけ、茄子をかたどったお菓子です。
この愛嬌ある姿からは想像できませんが、正徳元年(1711)年に初めて創作されたという、300年以上も前に誕生した歴史ある逸品なのです。
こちらが断面です。
ごまと道明寺で茄子の種を表現したのはあっぱれですね。
茄子は、きゅうりやトマトと並ぶ夏野菜の代表です。煮たり焼いたりはもちろんのこと、漬物や汁の実にしても美味しいですよね。
強い日差しで弱った体を癒してくれる抗酸化物質を豊富に含んでいるので、まさに夏にぴったりの野菜です。
長茄子、丸茄子、一口茄子など形や大きさもさまざまで、個性豊かなその姿は、画題のみならず、上生菓子のテーマとしても興味をそそられますね。
また、ナスは「為す」や「成す」に通じ、実がよく生(な)ることから、縁起物とされています。
美味しい茄子のお菓子をいただいて、今日も一日頑張りましょう。