「青成り(あおなり)」道明寺羹製:そえ田
薄緑色に染めた道明寺羹の中に小豆こし餡を入れ、ひょうたんの形に固めたお菓子です。
透けて見える道明寺粉の粒々が、雪やみぞれなどを連想させ、涼しさをさらに増してくれるようですね。
ひょうたん(瓢箪)は、蔓(つる)性の植物で、棚状に茂らせると日よけになり、また、よく熟したひょうたんの中身をくりぬいて十分に乾燥させたものは、酒や水、七味唐辛子などの入れ物として使われます。
そのユーモラスな姿から、和菓子の世界でも人気の主題として、四季を通していろいろな意匠に作られています。
夏のひょうたんは、まだ熟していない青々としたひょうたんで、涼味を表現します。
涼やかな緑が日差しを和らげ、節電の手助けもしてくれる、植物を利用したグリーンカーテンが最近注目されています。
小さな実が鈴なりになる千成ひょうたんが作る緑の木蔭は、涼しさばかりでなく、そのひょうきんな形に心も癒されますね。