「水草の花(みずくさのはな)」錦玉・羊羹製:両口屋是清
錦玉の底に道明寺粉を散らし、さらに大納言小豆や白小豆の蜜煮、緑色に染めた短冊状の羊羹などを配し波形に固め、羊羹地を合わせています。
水中でゆらゆらと揺れる水草の花を写し、水面に漂う涼しげな風情を表したお菓子です。
「水草の花」とは、水中や水辺に生える草の花の総称で、睡蓮、水葵、河骨(こうほね)などのほか、名もなき花なども含まれます。
水面や水中での涼しげな姿に趣があり、俳句の世界では夏の季語になっています。
たなびくように配置された緑の羊羹や、錦玉のうねるような輪郭が水の躍動感を見事に写していますね。
中に埋め込まれた様々な素材の食感の違いも楽しめる、内容豊かなお菓子です。