「水映(すいえい)」錦玉製:秋色庵大坂家
大坂家の7月限定のお菓子です。焼き蜜を寒天で楓の形にかため、大納言を配しています。ふわっと香る焼き蜜の香りを楽しめるお菓子ですね。
焼き蜜とは、カラメルのことで、ブドウ糖や砂糖などを加熱して焦がしたものです。錦玉やプリン、栗饅頭などに焦げ色をつけるのに使われます。また、その香ばしくほろ苦い独特の風味も味に深みを加える重要な役割を果たしています。
このお菓子、まさに夏の夕暮れ時の色合いですね。夏は水蒸気が多いので、水分に赤の波長の光が少し吸収され黄〜オレンジ色がかった夕焼けになります。冬は乾燥しているので、より赤に近い色になるようです。
日中の暑さの余韻を残しながらも、日が翳ってくると、ヒグラシの鳴き声に乗って、どこからともなく涼風が吹いてきます。
夕焼けの橙色を映した水面には、青楓の葉っぱがひとひらふたひら舞い降りてきて、静かに浮かびながら、暮れゆく一日を名残惜しんでいるようです。